最近買った本と、今後の更新予定

1か月半ぶりの投稿

前回の投稿は5月末だったので、1か月半ぶりの投稿になる。6月はイレギュラーなお仕事が入り、帰宅時間も遅くなってしまっていた。また、休日がとれても、テニスをしたり、7月に開幕したツールドフランスの話題を追いかけたりしていて、記事を書くのに時間がかかっている状態だ。

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ツールドフランスでは、私はチーム・スカイとフルームを応援している。今年は落車などアクシデントが多く、フルームも上りで昨年ほど圧倒できない様子で、総合優勝の行く末もわからなくなってきた。後半戦がどうなるか、引き続き見守っていきたい。チームや選手、ステージの経過などをみるには、次のサイトがとても参考になる。また、はてなブログでもステージごと書かれている方がいらっしゃるので、紹介する。 

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。 - サイバナ

ツール・ド・フランス 2017 カテゴリーの記事一覧 - コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

 

最近買った本の中から

日常に追われながらも、社会全般に視線は向けておきたいものである。最近買った本の中からいくつか紹介してみたい。

「熟議民主主義の困難」 
熟議民主主義の困難

熟議民主主義の困難

 

新聞の日曜の読書欄で紹介されていて、熟議が足りないのではないかという個人的な問題意識とも合致していたため、書店でページをめくってみた。これは一般書ではなく学術書であり、一般向けに前提知識の解説がされているものでもなく、専門でない状態での読解は大丈夫か不安を感じた。しかしながら、結論や要約など議論を振り返る項もあり、一部をとってみても新鮮な視点が得られると思い、購入することに決めた。前提知識を補完するとすれば、以下の書籍がいいだろうか。「熟議民主主義」というテーマは、一般向けに新書でも展開されてもいいものだと思う。

ここから始める政治理論 (有斐閣ストゥディア)

特に興味を持っている部分は、 「労働中心社会」が熟議の阻害要因として位置づけられていることで、今後更新しようと思っている「5つの活動で生活や社会を考える」という記事の中でも触れたいと思う。また、親しい人たちの間での日常的な話し合いから発展していく、親密圏や公共圏といった視点は、学生時代にブログで書いた内容に通じるものがあったので、改めて考えを整理してみたいところである。

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国際紛争・原書第10版」 
国際紛争 -- 理論と歴史 原書第10版

国際紛争 -- 理論と歴史 原書第10版

 

この本は心待ちにしていた。第4版の当時、学部の国際政治の講義の教科書だったもので、その内容に胸が躍り、非常に影響を受けた。学生時代からは新しい動きが多く、当時学んだことでは考え方が掴めないと感じていたところ、9版が2013年に出ており、そろそろ10版が出そうと思い、待っていた。手元にある第4版から100ページ以上増えている。トランプ政権などここ1年以内の動きまではフォローされていないが、その手前までの流れを整理してみたい。

 

「働く女子の運命」「結婚と家族のこれから」 
働く女子の運命 (文春新書)

働く女子の運命 (文春新書)

 

学生時代、労働・社会法分野は将来最も重要になると考え、興味を持ち続けてきた。実際にそのとおり「働き方改革」など課題の中心となっているが、私が仕事としてこれらの問題に関わることができていないのは少し残念に思っている。もっとも、学生時代は直接的に自分自身に降りかかる問題ではなかったが、現在は家庭を築いていく上でまさに直面しているところであり、自分自身の問題として考えていくために購入した。

戦前から時代の流れを追っていく部分では、10年ほど銀行勤めをし、過労で入院もしてそれでも働けないか病院までお願いが来たといった逸話のある私の母が、男性に較べて待遇が上がらないことを不満だったと話していたこととオーバーラップしてきた。私は男性であるが、女性と同様に家事を行って生活を組み立てていくのを理想としているところ、限界がどこで来るのか、具体化して解決していくことができないか考えている。最後の「マミートラックこそノーマルトラック」という考え方に大きく賛成するところではあるが、日本人の道徳・倫理にも関わる部分であり、現場で摩擦なく進むことは難しそうだ。

 

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

 

もう1冊、社会学の観点から論じた本も手にした。副題から明らかなように、共働きの限界について言及されている。中でも、家事労働はサービス提供場所と時間を個別に拘束する特性がある故、外注するにしてもコストがかかるということ、 親密性の間柄は特別扱いと外部への排他性を伴うこと、という部分が課題として感じられた。親密性の問題は以前取り上げた「ポリアモリー」のような関係性の変化、そうでなくても仲の良い3~4程度の家族同士で、個別の住居の他に、共用の食堂と子供が過ごすスペースが隣接する住宅設計といったようなことが想起されたが、 経済的動機による複数家族の結合は当時も書いたようにフィクションの世界から抜け出されるものではないだろう。 

oikaze.hatenablog.jp

 

今後の更新予定 

さて、今後の記事の更新予定の内容について簡単に触れたい。来月中までには上げたいところである。

「5つの活動で生活や社会を考える」

人間の活動を(1)生命・健康維持(ヒトとしての活動)、(2)家庭生活(家族の一員としての活動)、(3)経済的活動(職業人としての活動)、(4)社会的活動(公民・市民としての活動)、(5)文化的活動(個人としての活動)に分けて、自身の生活や社会の中での偏り、歪みとバランスのとり方を考えるという内容である。上で取り上げた本の内容も適宜活かしながら、自分の考えを整理できたらと思う。

「最近のミュージックライフ」

コンポが壊れたこと、Bluetoothスピーカーを買ったこと、最近好きなアーティストの紹介をしてみたい。これが一番簡単に書けるかな。

「八王子の彼女(4)」

連載企画の続編も書く予定である。これまでは八王子駅周辺であったが、大栗川沿いに場面を移して、新たな展開に持っていきたい。

 

 

「マストドンを試してみたけど」ほか

最近、インターネット関係のサービスで色々と試してみたので、簡単に感想などをまとめてみたい。

マストドンを試してみたけど

pawoo.net

今年の3月から4月くらいにかけて話題になっていた短文投稿サービスのマストドンTwitterの後継かとも言われていた。私は4月にTwitterを辞めたこともあり、とりあえずブログの更新通知などに使ってみようかなと思い、試すことにした。マストドンは事業者や個人が「インスタンス」という枠を提供していて、どこかを選択して登録することになる。興味が似ている人が集まるインスタンスを選択するのが楽しむポイントのようだ。

今回は、Pixivのアカウントが学生時代から放置されていたのを思い出し、企業が運営しているので安定しているかなと考え、Pixivが運営しているパウーでアカウントを作ってみた。さっそく何回か投稿もしてみたが、今のところ、あまり長続きできそうにない状況にある。原因は、もともとPixivのアカウントが放置状態だったように、パウーのユーザー層とマッチしていないことにあるだろう。そもそも私自身、興味が浅く広く、特定の話題で集まることに向いていない。黒を基調としたデザインを変えることができないのもストレスがある。

最近はマストドンの話題自体、終息気味になっているが、なんとアカウントを一度作ると消せないようなので、気が向いたときに何らかの投稿をし、活用を考えてみたい。個人的には、Pixivやニコニコのように、ある特定のサービスがユーザー交流の場を低コストで導入するのに向いているように感じている。「はてな」でも、ここ数年外国語の荒らし投稿ばかりの「はてなハイク」の代替としてあってもいいように思う。

ところで、パウーのアイコン画像を入れる場面になって、アイコンを変えたい欲が高まってきた。数年前からずっと変えたいなとは思っていたのだが、作成方法や能力が足りず、学生時代から同じものを使い続けている。具体的にどういうのをイメージしているかを挙げてみると、色は青系で、写実的すぎない人間の上半身のシルエット風味、「追い風・順風・Oikaze」などブログ名等に関係する文字と組み合わせ、デザイン感の高いイラスト、という感じだが、文章でもうまく表現できていない。

 

電子書籍アプリ「Kinoppy」が使いやすい!

k-kinoppy.jp

KindleWindows PCとAndroidアプリで使ってきたが、もう少し使い勝手のいいものがないかなと思って検索してみると、紀伊國屋書店が展開しているKinoppyが使いやすそうであった。そこで導入して何冊か購入してみた。Kindleと比較して、具体的に使いやすいと思った点は以下のとおりである。私が最初にスマホを購入した当時は、Kinoppyの使い勝手の評判はあまりよくなかったように記憶しているが、改良されたようである。

  1. 縦書きと横書きを変換できる。
  2. Androidアプリを開いたときの画面や本の一覧が見やすい。
  3. スマホでデータ保存先をSDカードに指定できる。
  4. アプリ内でショップを立ち上げることができる。
  5. 購入時、ワンクリック購入ではなく、一呼吸入れることができる。
  6. レビューは少ないが、立ち読み機能で内容がわかる。

私のスマホの内部ストレージは16GBと少ないので、圧迫しないのは大きい。画面では横書きの方が読みやすく、切り替えできるのもありがたい。品揃えや価格なども見ながら、使い分けてみたい。

なお、Kinoppyは電子ペーパー機器との対応は十分でない。Kindle Paperwhiteなどは人気であり、需要はあるとは思うのだが、ソニーも撤退し、戦える製品が登場していない。個人的には、電子ペーパーの画面遷移の遅さをカバーするため、ウォークマンSシリーズ程度の大きさの液晶画面(2インチ)と組み合わせて、ライブラリ管理など行うことができる製品があったら便利かな、と考えたりしている。

 

スマホのブラウザをChromeからYahoo!ブラウザに

私はPCもスマホもブラウザはChromeをメインに使ってきた。ブックマークも同期できて便利だったが、最近スマホ側で「新しいタブ」の画面を開いた際、ダウンロード履歴・おすすめ記事など下側にチラチラごちゃごちゃ表示されるようになって不快であった。そこでストアを探索し、試しにYahoo!ブラウザを使ってみることにした。

起動時の画面がシンプルになったことに加え、アドレスバーからリアルタイム検索ができること、画像非表示の設定や終了時の履歴自動消去などの設定ができることが便利だ。他方、速度制限時の処理が遅く感じるのと、ズーム禁止解除の機能の点ではChromeの方が便利かなと思っている。これも場面ごとに使い分けてみようと思う。

 

 

「敏感すぎる」と他者との距離

(目次)

 

「敏感すぎる気質」が話題

はてなブックマーク」を見ていたら、「敏感すぎる気質」が話題になっていた。「ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)」という用語があり、感受性が強く、日常の刺激に過剰に反応してしまう気質のことをいうらしい。初めて知った用語だが、興味深かった。記事で取り上げられた元のツイートは以下のもので、リツイート2万6千、いいね3万5千もの数を集めている。

 

学生時代に書いたことと、現在

「敏感すぎる人」が多すぎないか?

上の記事で興味深く感じたのは、敏感すぎることについて学生時代に以下のようなブログ記事を書いたことがあるからである。

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そのとき書いたことを簡単にまとめれば、最初は歩みが遅くても、気になる部分は納得のいくまで突き詰めることを諦めずに続けていけば、応用力も高まり、最終的に大きな成果を出せるということである。今振り返ってみても、基本的な考えは変わっていないように感じる。仕事をするようになって、途中段階を説明・共有し、意見を得ながらさらに完成度を高める、という進め方を意識することが加わったようにと思う。

タイトルで使われている「鈍感力」というのは、当時流行していた言葉で、敏感すぎることと裏返しといえる。ここでふと振り返ってみると、「敏感すぎる」の「すぎる」というのは、他者より人一倍強い、という自己認識が含まれているが、私の学生時代でも「鈍感力」という言葉が流行し、上のHSPについても2万、3万も拡散して共感を得ていることからすると、敏感なのは大勢の人に共通していることのようにみえる。そうすると、「人一倍強い」という自己認識の部分に関心が生まれてきた。

 

他者との距離が変わって

私自身、思春期以降、情緒不安定なところがあるな、と感じて過ごしてきたが、現在は随分と安定したと実感している。年齢を重ねると自律神経が安定していくというのがあるらしいが、個人的にはパートナシップ関係をよりよくできるようになってきた、というのが大きいように思っている。関係が深くなる前は人前でも臆せず話せて、積極的・社交的で、安定しているように見えていた相手でも、日常を共にしていると、気分の上下だったり、一人になりたいという時期が訪れたり、自分が嫌と思っていることは同じように嫌だと感じていることがわかったり、といった発見が多くある。様々なことで揺らぎがあるのは、皆同じことで、当たり前のことという感覚が強くなった。

このような体験からすると、普通は何かという認識のずれが悩みの一因になっているように思える。現代社会では、教育なり通念なりで「こうあるべき」といわれてきたことを内面化し、それが普通であり、そこから逸脱しているか否かという点に目が向きやすくなる。他者に抱く印象でも自己分析でも普通が基準になる。若者同士の関係は利害なく打ち解けてるようにもみえるが、自意識が強く弱みも見せたがらず、内面の究極的な部分は見せ合わないことも多い。下の記事のようによく言われる「SNS疲れ」でも、友人の楽しい一面をみて、劣等感を抱いてしまう。 

waramarogu.hatenablog.com

そうすると、大事なことは、辛いと思う状況や感情の揺らぎを規範で抑え込まずに当然生じるものとして認めること、 その点を共有できるパートナシップ関係を持つことになるだろうか。頭でわかるだけにとどまらず、揺らぎがある状態でもそのまま肯定される体験というのは、大きな喜びであり、その価値は大きい。自分の中の「普通」がより現実に近く書き変わっていくことで、やや離れた距離にある他者との関係で感じるストレスも緩和されてくるように思う。

 

つばさタイガー」 

猫物語 (白) (講談社BOX)

猫物語 (白) (講談社BOX)

 

規範の内面化といったことはフーコーで言われていたようにも記憶しているが、そういう方向に行くより、最後に好きな作品を紹介することにしたい。「猫物語(白)」は「つばさタイガー」という副題がついていて、物語シリーズの中で一番好きな話だ。名実ともに「優等生」の主人公が抱える闇を丁寧に描き出す。辛い境遇の中で主人公に巻き起こる負の感情は、自分でも意識されないうちに捨てられていき、好き嫌いの感情自体なくなっていく。その捨てられた感情は積もり積もって怪異となる。主人公はそのことを自覚し、認め、受け入れることで人間を取り戻していく。物語シリーズでは、型にはまったキャラクターが抱える闇の部分を描く作品が多い。特に「囮物語」と「恋物語」は、いわゆる「かわいこちゃん」と「ヒール役」が抱える闇の部分が描かれていて、これらも好きな作品である。