電車に揺られる時間

私はこの5年以上、仕事場から徒歩10分以内の場所に住んでいたのだが、最近転居して電車通勤をするようになった。電車に乗っている平日の1時間程度、新しい過ごし方をする時間が生まれた。ノイズキャンセリングイヤホンを購入し、Spotifyに登録して音楽やポッドキャストを聴きながら、物思いに耽ったり、新聞のアプリや電子書籍を読んだりしている。

電車で物思いに耽るというのは、子供の頃から長年していたことであった。10歳くらいから中学受験の塾に電車で通い、中学から大学院まで電車で通学していた。10代の頃は電車内で活字を読むと気分が悪くなってしまう性質だったので、ウォークマンで音楽を聴き、毎日変わらない車窓の景色を見ながら、物思いに耽っていた。当時の私の個性といえば、独特な発想や着眼点というところにあったと感じており、このような電車でのぼんやりの時間が基礎となっていたように思う。最近の脳科学では「デフォルトモードネットワーク」という創造性を高める脳の神経活動があるとされ、科学的な根拠もあったようである。

物思いに耽ることは歩いていてもできるが、歩きだと周囲に気を払うことが多くなり、落ち着くことができない。電車というのは、物思いに耽る以外のことをしたくなくなるちょうどいい制約のある環境のようである。またブログや文章を書く気持ちが高まってきたのも無関係ではないであろう。GeminiやNotebookLMなどのAIサービスを活用していくことで、私のバイタリティの欠如を補って、考えを形にできるものが増えていくかもしれないと期待している。

新しい時間の過ごし方が生まれれば、新しい興味との出会いも生まれる。Spotifyポッドキャストの中から最近のお気に入りを紹介してみたい。芥川賞作家の方が最近始めた「震動」というもので、「震える」という題材で語っている。

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内容の面白さもさることながら、声、口調や言葉選び、スピード、ニュアンスなどいわゆる「語り口」が私にとって心地がよい。著作等も少しずつ読んでいこうと思う。

ベストセラー新書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の著者の方のポッドキャストで、今の時代書き手がSNSYouTubeポッドキャスト、テレビ等に出て行っていかなければならないという話を聴いたが、その流れの中でひとつ楽しみに出会うことができた。これからも揺れる電車に包まれながら、色々な話を聴き、思いを巡らせていきたい。

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