八王子の彼女(1)

「あるスパゲッティ屋で」

 

京王八王子駅近く、大通り沿いに学生で賑わうスパゲッティ屋がある。ボリュームが売りで、超大盛り挑戦企画もある。ある春の日の昼下がり、大学一年生の雄太はこのお店で一番人気という、焼きチーズミートソースが出てくるのを待っていた。授業のない午後、大学でできた友人との待ち合わせだが、まずは腹ごしらえが大事だ。ふと壁に目をやると、超大盛り挑戦企画に敗れた人達の写真が「ヘタレ!」とのコメントとともに掲げられている。友人が来たら、これに今度挑戦してみなよ、と話そうかな、なんて思い巡らせる。

雄太と同年代のアルバイトの店員がさっと前を通り、近くの席の女性に飲み物を運ぶ。その様子をなんとなしに眺めていた雄太だが、次の光景に思わずハッとしてしまった。その女性は一人で、雄太より少し年上くらいの大学生に見える。栗色に染めたストレートの長髪が美しい。ホワイトとネイビーのコーディネートの服で、姿勢もスッとして綺麗だ。

ただの美人ならそんなに驚かない。いや失礼、美人には処構わず目を奪われる年頃の雄太だったが、ハッとしたのはそれだけが理由ではない。彼女が手にしていたのはグラスのビールだったのだ。彼女はグラスの下半分を両手で持ち、そっと唇をグラスの縁に合わせると、表情を変えることもなく、黙々と飲み下していく。そのままグラスは空になった。平日の昼間から、その静かで豪快、でも上品さもある一気飲みの様子を雄太は驚嘆の眼差しでじっと見てしまった。

グラスを置いたとき、彼女は雄太の視線に気が付いたようで、雄太の方に目を向けた。しかし若い男から視線には慣れている、といった感じで、ふっと視線を外して、手元のスマホを操作し始めた。彼女の表情からは、どちらかといえば不快さが見て取れた。雄太は、少しバツが悪そうに、料理が出てこないか、厨房に視線を送った。ほどなく、雄太と彼女の元にミートソーススパゲッティが運ばれてきた。彼女は5番人気という、厚切りベーコン乗せのスパゲッティであった。

雄太は焼きチーズの上に卓上のタバスコやマヨネーズをかけ、黙々と食べ始めたが、近くの彼女が気になって仕方がなかった。一目惚れというほどではないが、ふだん何してるのだろう、近くの大学に通っているのだろうか、また会いたい、色々知りたい、と興味がかき立てられていく。

しかし、と雄太は思い巡らす。街で見かけた異性と知り合いになるなんて、小説じゃあるまいし、現実には有り得ない。見ず知らずの女性に声をかけられる男なんて、もっとこう、スーパーサイヤ人みたいな髪して、唇から鎖を垂らしたような感じじゃないとできるものじゃない。日々の小さな出来事として胸にしまっておくしかない。自分がこんな凛とした美しい女性と話ができるチャンスなんて、万にひとつも・・・

「おっす、雄太。待たせた、ってあれ?野村さんもいんじゃん。こんちはっ」

・・・あった。雄太も、野村さんと呼ばれた彼女も、顔を上げた。何の偶然か、雄太が待ち合わせていた友人、貴仁は共通の知り合いだったのだ。どうしよう、心の準備ができてない。雄太は戸惑うのであった。

 

(今回はここで目次)

  

不定期連載企画?

大栗川探訪から学園都市八王子を知る

oikaze.hatenablog.jp

上のとおり、ざっと小説めいたものを作ってみた。完遂できるかわからないが、このブログで不定期に連載をしてみようかな、と考えている。きっかけは、先日の大栗川を巡る記事で、中流域の学生街を舞台にラブストーリーを作れないかな、なんて書いていた。そしてちょうど先月、朝日新聞の第2東京面で八王子市について取り上げる連載記事があり、学園都市として様々な取り組みをしていることが紹介されていた。また、先日連れが読んでいた少女マンガをちょっと見せてもらったとき、恋愛話のイメージも何となく湧いてきた。

タイトルは「八王子の彼女」としてみた。八王子自体、バラエティ番組などで取り上げられるのを何度か目にし、ハチカノと略しても耳慣れがよいかなと思った。私自身は大学はとうに卒業し、特に八王子とも縁があるわけでもないが、個人的な楽しみとして作ってみたい。合わせて、地域の振興企画に対する他の地域の人の関わり方なんてのも考えてみたい。

 

正方形の写真の流れ?

これも新聞記事からだが、写真はインスタグラムの流行で正方形の写真プリントが広がってるとのことである。昨年夏にコンデジを買って4×3を当然のものとして撮っていたが、寸法も色々あると気付かされた。ということで、この連載企画の中では、正方形で街やお店の写真を撮って、特殊効果なども盛って、毎話の挿絵みたいな感じで載せていってみたい。今回は休日を使って八王子駅周辺で撮ってみたが、上手く撮るには難しい。

 

今回登場したスポットの紹介

スパゲッティPiaPia

matome.naver.jp

今回取り上げたお店は「スパゲッティPiaPia」というお店である。 ボリューム重視の学生向けといえるお店で、話の中にも紹介した罰ゲーム付きの大食い企画など、客と距離の近い雰囲気がある。他にも、クリスマスにはカップル入店禁止など自由な企画があるようだ。ここはひとつ、ひとり身で集まればいいきっかけが生まれるスポットという前向きな捉え方はできないだろうか。

今回は、上の写真にあるように、1番人気と書かれていた焼きチーズミートソーススパゲッティを頼んだ。690円とリーズナブルなお値段の上、ランチタイムでドリンクバー無料のサービスがあってお得だった。ミートソースはケチャップ感が強めと個人的に感じたが、卓上のマヨネーズを少し加えてみるなどアレンジしてみても美味しい。厚切りベーコン乗せのミートソーススパゲッティも興味が引かれた。

 

はてな又は食べログ運営様にゆるく要望

以前から、食べログのページのリンクを貼ろうとすると、「制限されている」として他のページのようにリンクができない。また、「レストラン紹介」のサイドバーがあるが、検索が全く機能しておらず、結局食べログのページはきちんと紹介できない。食べログスマホブラウザでアプリ誘導が強すぎるところが使いづらいが、情報量が多いのでサイトで紹介時にリンクを貼りたい。はてなブログからのリンクを制限するメリットもよくわからない。対応していただけたら嬉しい。

 

 

 

春を探しに

春を探しに

4月から新生活を始めた。先週は張り切って週末も働きどおしだったが、さすがに疲れを感じ、今日はお休みして近くを散歩しながら春を探してみた。

桜は緑が交じるようになったが、白色の花は緑とのコントラストが合う。

 

足元に目をやると、これまた綺麗な花が咲いていた。周囲の若々しい緑色に映える。

 

小さな蝶も黄色の花に留まり、佇んでいた。

 

コンデジの楽しみを

最近、デジカメ市場の縮小についてのニュースに接した。

www.nikkei.com

記事によると出荷台数のピークは2010年ということだから、わずか6年で80パーセント下がったことになる。このような急激な変化は衝撃的だ。 スマートフォンの普及で、デジカメが「必需品」から「嗜好品」に変わったということだろうか。私も昨年の夏に購入するまでは、スマートフォンで全て済ませてしまっていた。だが、一度デジカメを手にしてみると、その便利さや楽しさで手放せなくなってくる。

具体的な相違とすれば、「高倍率光学ズーム」と「チルト液晶によるセルフィー」が大きい。旅行などで格段に便利になる。この両機能があるカメラとしては、私が使っているSONYのWX500がコンパクトサイズでちょうどいいと思う。このクラスはキャノンがSX730という対抗機種を近日投入するようで、競争が激しくなりそうだ。 

今後状況が変わるとすれば、格安スマホの普及が考えられる。どうしてもスマホは3年も経てばバッテリーがへたってしまう。バッテリーを入れ替えるにも高い費用がかかるし(特に防水機能のある機種)、OSのバージョンなども古くなっているので、買い替えるのが得策になってくる。機種を数年おきに変えるとなると、大事な写真などの管理が面倒になる。コンデジを持っていればこの点を解決できる上、スマホ選びの際にカメラ機能を重視しなくてよくなり、格安スマホを活用しやすくなるのではないか。

 

ハイエンドコンデジへの興味(買わないけど)

 「高倍率光学ズーム」と「チルト液晶によるセルフィー」でコンデジに慣れてくると、もう少し画質をよくしたいといった欲が出てくる。高倍率光学ズームは画像センサーを小さくしないと実現できないので、どうしても画質に限界がある。ひとつはミラーレス一眼という道があるが、コンデジのコンパクトさを捨てたくないということであれば、ハイエンドコンデジが選択肢となる。

ハイエンドコンデジのラインナップを開拓したのはSONYのRXシリーズであるが、シリーズ各機種は併売できるようにどんどん高機能化する方向に発展してきている。上のような流れで考えるとエントリーモデルのRX100が候補になるのだが、発売から随分年数が経っていて、少々物足りないところがある。RX100が単純にリニューアルすることが当分ないのであれば、これも対抗してきたキャノンのG9Xがいい感じだ。違うメーカーのカメラを使ってみるのもまたいいかもしれない。

キヤノン:PowerShot G9 X Mark II|概要

こんなことを思いめぐらすが、そんなに贅沢できるわけでもないので、具体的に購入することはないだろう。今のWX500をこれからも愛用していきたい。