2021年のプロ野球日本シリーズに感動した

今年のプロ野球の日本シリーズはヤクルトスワローズが4勝2敗で優勝した。どの試合も常に1点を争い、最後まで結末が分からない、手に汗握る熱戦であった。優勝を決めた後、ヤクルトスワローズの多くの選手が自然と涙があふれていたが、緊張感の連続だったことを思わせる。

私はヤクルトスワローズのファンであったが、最近はプロ野球自体をあまり見なくなっていた(下は当時の記事)。今回、ヤクルトスワローズが優勝しそうと聞き、シーズン終盤くらいから再び見るようになった。日本シリーズの第5戦の山田の3ランホームランや第6戦の川端の決勝打の際は思わず声を上げるくらいのめりこんだ。

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ヤクルトスワローズの魅力は、工夫しないと優勝できない、裏を返せば優勝するときは工夫があって色々とためになるということである。今年は高津監督のマネジメントが際立っており、選手を大事にしてなるべく怪我などで離脱させない、雰囲気を良くするという部分が見事に成功したように思う。戦力としても、奥川、高橋、村上、塩見と若い選手が躍動し、これまでを支えてきた選手たちも踏ん張り、最後まで維持できた。試合中の采配も、合理性に裏付けられ、また決断力のあるもので唸るばかりであった。日本シリーズでも、打者ごとにシフトや配球を練っていたことがわかったし、1戦目でセーブを失敗したマクガフの2回目の登板は、石山を回跨ぎをさせて清水を残すなど次に備えつつ、マクガフを今後使えなくなる事態を避けるため復活の機会を与えるものであった。第6戦で代打川端を出すタイミングもギリギリまで粘った。

これに対し、クライマックスシリーズで対戦したジャイアンツの采配には疑問が残るばかりであった。申告敬遠して菅野が川端勝負して打たれたシーンは、ヤクルトの投手高橋を降ろし、もし川端を抑えられたら流れを持ってこれるという考えだったようだが、1点も与えてはいけない場面であえて状況を不利にする、川端を抑える秘策があったわけではない(投手の頑張りに頼る)、その後の中継ぎを打ち崩す策があったわけでもない、成功すればよいが成功するための準備や努力をしない博打のような采配といわざるを得ない。監督があえて目の前の状況を不利にしてくるようなものである。シーズンでも、終盤、投手の登板間隔を詰めて奮起を促そうとしたが、失敗していた。シーズン後の桑田のコメントで、登板間隔を詰めて回していくためのノウハウがなかったというものがあったが、そういう準備もなしにやらせていたこと自体が問題である。やるならシーズン前から説明し、そのための身体づくりなど技術的な部分を指導しておくべきである。あえて不利な状況にさせられ、自分で頑張れ、できないのはお前が悪いでは選手がかわいそうであり、来年も同じような状況は見たくない。

今年のヤクルトスワローズの選手を大事にするマネジメントは、大学駅伝の青山学院のように、時代に合ったものとして他にも広がっていくことを期待したい。来年はどうなるかはわからないが、力のある選手が潰されず長く活躍することが見る側にとってもよいことだと思う。来年はシーズン初めから応援したいと思う。とりあえず久しぶりにスーパーマーケットでヤクルトを飲んでいる。一時期ヤクルトとミルミルを毎日1本飲むとよいという話を聞いて取り組んでいたことがあるが、実際に体調はよくなるように感じていた。